(メールマガジンとして配信された文章)
おはようございます。ラピシュットの長谷川高士です。
先週からの続きを書きます。
今日のコンテンツは、体験ワークの深化への挑戦その2、です。
2025年1月28日配信の第352号で、次のように書きました。
「体験ワークを深化させたくなった」
その深化への挑戦の場となったのが、2025年2月17日の串本町、そして2月21日の長崎市での講演でした。
体験ワークを深化させるための2つ試行
私の挑戦の意図は、体験ワークを深化させること。
そして、深化の方向性は「より主体的に」と「みんなで」の2つです。
つまり、体験ワークを
「より主体的に、かつみんなで行う」
ということを目当てて、次の2つの追加を試行しました。
- 体験ワークに、ディスカッションを追加
- 講演の最後に、書き出しワークを追加
この2つの追加のうち、先週は、
- 体験ワークに、ディスカッションを追加
について報告しました。
今週は、その続きとして
- 講演の最後に、書き出しワークを追加
について報告します。
書き出しワークとは
「書き出しワーク」という呼称は、メルマガで報告することをきっかけに必要に迫られて私が付けた仮の呼び名です。
仮称なので、今後変わる(変える)可能性が十分にあります。
書き出しワークの具体的な内容は次のとおりです。
- 与えられた課題に沿って1人で書き出す
- 書き出した内容をみんなに話す
先週報告した1つ目の追加である
- 体験ワークに、ディスカッションを追加
は、いわば「従来の体験ワークの拡張」でした。
対する書き出しワークは従来のものとは全く異なる新たな体験ワークの、文字どおりの「追加」でした。
その意味において、私の中では比較的大胆な挑戦であったといえます。
言語化と「みんなで」の力への期待
2つの追加に共通しているのは、言語化と「みんなで」がもたらす価値に期待していることです。
その期待は、このところ繰り返し述べているとおり、クロスロードでのファシリテート体験に由来しています。
そして、
- 与えられた課題に沿って1人で書き出す
- 書き出した内容をみんなに話す
という書き出しワークの形式は、くまもとクロスロード研究会のメンバーと一緒に練り上げてきたクロスロードワークショップの、手法の一部の転用です。
お気づきのとおり、書き出すという行為が言語化に当たります。
そして(書き出した内容を)みんなに話すという行為に、「みんなで」の力を引き出すトリガー(引き金)の役割を期待しています。
書き出しワークの設定課題
ここであらためての確認しておくと、実践しているのは試行です。
すわなち、錯誤の可能性を承知の上で、むしろフィードバックとしてのそれを期待して行っている検証行為です。
よって、やり方はもちろんのこと
「そもそも、やるべきか否か」
という判断を含めて、今後更新される可能性が十分にあり得ます。
その状況の私が、現時点で設定している書き出しワークの課題が「24時間トイレ問題」です。
24時間トイレ問題とは
「書き出しワーク」と同じく「24時間トイレ問題」という呼称も、仮の呼び名です。
名付け親は、災害時のトイレ事情を長らく調査している研究者のお1人です。
これを、
「私も借用してる」
というのが今の状態であり、将来に向けては別の呼び名に変わることもあり得ます。
24時間トイレ問題とは、大規模災害の発災後にしばしば見られる
「トイレが便で埋もれる」
という事象を前提とする概念です。
この事象は、トイレを利用したい人々にとっての深刻な困り事になり得ます。
ゆえに問題として扱っています。
そしてこの事象には、特に
「発災後24時間以内に発生しやすい」
という傾向があることから、24時間トイレ問題と(仮に)呼んでいます。
阪神・淡路大震災の発生から30年。
令和6年能登半島地震においても、24時間トイレ問題の発生が確認されています。
未だ、その解消の糸口すら掴めていないのです。
「この問題を解消したい!」
名付け親のこの思いに強く共感し、私はその取り組みに協力したいと思うようになりました。
24時間トイレ問題の詳細については、いずれまた別の機会に書きます。
試行の結果は
書き出しワークでは、「24時間トイレ問題を防ぐ方法」を考えてもらいました。
具体的には次の手順です。
- 1週間後の地震の発生を想定
- その時に居る場所を予測
- その時に使えるトイレを想像
- そのトイレでの「24時間トイレ問題の発生」の予防策を検討
串本町と長崎市の両方で試して得られた結果(フィードバック)は、次のとおりです。
■予定の内容の全てを実施できなかった
- ワークの時間を長くするか方法の変更が必要
- 「みんなに話す」の後に「みんなで話す」をやりたい(今回は時間切れでできなかった)
■設定概念が十分に伝わらなかった
- 24時間トイレ問題の予防という概念が伝わっていない様子が一部にあった
- 説明の方法に工夫が必要
■研修内容の理解が深まった?
- 予防策として書かれたのは、自身のトイレ対策だった
- 個々人の事情に合った具体的な工夫が多かった
- 「今日知ったことを周り伝える」という内容も複数あった
試行の結果は、ややもすると良し悪しや想定通りか否かという基準で評価してしまいがちです。
注目すべきは、目当てに対する効果の度合い、です。
効果が高ければ採用し得る価値がある。
その効果は、ときに想定とは違う形で現れることもある。
ここに試行の面白さがあるのだと思います。
◇今日の気づき
注目すべきは目当てに対する効果の度合い
効果は、ときに想定とは違う形で現れる
◇この文章の入口(参考)
概念(右上)から、意味がほどける場所(左上)へ
この文章は、
判断や結論に入る手前の、話の地面に立ち戻る中で書かれています。
この文章を読んで、
話が噛み合わない感触や結論に入る前の違和感
が残るときは、それを急いで解消しなくても構いません。
そのための場所を、別に置いています。
